自衛隊で海外勤務?

防衛省の人事発令はある程度公にされているので、ネットで人事発令を見ていると時々知った名前が出てきて、へえーあの人今あそこに居るのかぁとか、お!出世してるなぁといった発見があって面白いのです。

 

今日もふらっと防衛省発令人事等を見ていたら、防衛省内のとある情報部隊勤務時にお世話になった懐かしい方(以下S氏)が、某国の防衛駐在官になられたと知って、なるほど、流石という感想でした。

 

これをもって感じたのですが、公に情報のエキスパートとされている情報本部長の大塚海夫氏などは、政治家よろしく権力側の操り人形というか、人を惹きつける何らかのカリスマ性や人心掌握術に長けたスポークスマン、言わばタレントに過ぎないのではないかという推察です。

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写真右側=大塚海将閣下。私が閣下の麾下にいた頃はまだ海将補であらせられた。部長室で飲んだテキーラ、美味しゅうございました

※出展=日本国自衛隊データベース

大塚海夫(おおつか・うみお)|第27期・海上自衛隊 | 日本国自衛隊データベース

 

フランス陸軍のカラーが強い東京暁星高校を卒業され、アメリカCENTCOM連絡官も務めスペイン語にも造詣が深い大塚氏。公私ともに伊東市に縁があり度々訪れていらしたのも、「多分初島だね。初島は実質フランス領だからね。沼津の徳川兵学校はフランス式軍事教練だし、徳川=陸軍=フランスは直結します」と某事情通の方曰く。

 

フランス=陸軍なのに海軍将官初島へ何故?と思われるかもしれませんが、世界秘密結社の権力構造やしがらみは我々には到底及ばない絡まり方をしているとしか思えませんね^^;

 

さて、冒頭に出てきた防衛駐在官というのは、自衛官でありながら外交官としての役割を持ち、外国の日本大使館で勤務する自衛官を指します。外国に居ながら自衛隊の制服を着て、各国の軍人との情報交換や各種擦り合わせを行うのが表向きの職責。

しかし一般的に、国防上重要とされるアメリカや韓国といった国に派遣される防衛駐在官は、私が知る限りは生粋の船乗りであったり飛行機乗りであったり、いわゆる用兵幹部と呼ばれる、艦長や飛行隊長をバリバリに経験してきた方達がほとんどです。

言い換えると情報の世界では素人。

 

そんな中、前述のS氏は生粋の情報幹部です。捕虜尋問やジプチ派遣や、キナ臭いマターをこなしてきた方で、防大時代には居合部に所属されていたとか。

そんな方がわざわざ!欧州(偽?)皇統本流のお膝元にもほど近いとある国に防衛駐在官として赴任している。なるほどね。ロシア国境にも公使とともに視察されている写真を拝見しました。相変わらずの男前ぶりですね。

そんな日本版ジェームズボンドと一緒に喫煙所でタバコを吸って、職場の愚痴に花を咲かせていたのかぁ…と思うと、誇らしいやらおっかないやら^^;その居合道により磨かれた白刃が無辜の民へ向かう事がどうか無きよう、キリスト眠る地より祈っておりますよ。

 

ちなみにS氏の名前をネットで調べても防衛省発令記事は一切ヒットせず、外務省の在○○○○○日本国大使館のサイトでのみヒットしました。

それもそのはず、情報将校の足跡は重大秘密。外務省に出向される前はどこに居たのか、どういう経歴か、一佐クラスであっても公にはされません。当たり前といえば当たり前。それどころか、同姓同名の総務省のお役人の名前がヒットしてややこしいばかり!

いや、もしかしたら戸籍も顔も使い分け、あるときは総務省の情報通信幹部、ある時は防衛省から外務省に出向し駐在武官・・・? @ㅊ@;

 

つまり、どこ出身の何者で、どんな部隊の長をして…という情報が丸わかりの大塚氏などは、情報本部長などという大層な役割に見えても、その実は換えの効くただの責任者として据えられただけで*1、弁は立つが最も重要な働きをしているのはその副官であったり、表に出ないS氏のような方であったりするというのが私の考察です。

アメリカやイギリス、FBI にMI6に… 映画にされるようなスパイ達の鬩ぎ合いはまさにショーそのもので、本当に重要な情報の取引は、意外な小国で行われている模様です。

事情通の方によると内閣情報調査室も、笹川財団からすればむしろ“使わせてやっている”のだとか。

 

 

話題をタイトルに戻して、海外勤務に憧れる方にとっては、日本の省庁の中にあっては外務省が当然、花形であるのは言うまでもありませんが、

自衛隊も狭き門ですが海外勤務への道が開かれた職種であると言えます。

かく言う私も、「海外行けるよー」と言う地本のおっちゃんの口車に乗せられて海上自衛隊を選んだようなものですし。

 

有名なところでは前述の防衛駐在官。陸海空含めて67名が現在派遣されているそうです。↓

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国防上の重要性に応じて人員数や、階級も上下しますね。

では一般的に何歳ぐらいで行けるの?と言うと…案外まちまちだったりしますが、概ね脂の乗り切った40代半ばぐらいで駐在武官として赴任できるイメージです。

「杉野は何処(いずこ)、杉野は居ずや」。の広瀬中佐は、31歳でロシア駐在武官になったと言われますね。

 

そんなになるまで息苦しい自衛隊で我慢して勤務できないよ〜

とお思いでしょうが、ご安心ください(?)。

警備官という、在外公館にあって駐在武官を補佐する役割もありますし(在外公館警備対策官 - Wikipedia)、これでしたら1尉で任官できますのでもしかしたら20代で海外勤務という可能性も!?

私が海上幕僚監部の指揮通信情報部に居た際に、防衛駐在官や警備官をサポートする仕事をやっておりました。そこで、これからとある途上国へ赴任するという警備官の方から、防衛秘密満載の支給品ノートパソコンを空港で紛失したという連絡が入り、あわや新聞沙汰に…という事件があったのですが、確か…その警備官の方が20代だったと思います。若いのに羨ましいなぁと思った記憶があります。赴任早々に騒動を起こして、在任中ずっとそれを言われ続けるんだろうなと思うと…^^;ですが。(ちなみに航空会社側の荷物の管理ミスで、無事見つかって処分を免れました。よかったネ)

 

さらに、留学生という方法でも海外へ行けます。

各国の陸海空軍の幹部学校やNATO防大学等に留学し、軍事の研鑽を積むと同時に諸外国の士官達との人脈形成、国際交流を行える楽しい学生生活です。

海外留学生便り・里見3佐| 海上自衛隊幹部学校(参考までに)

↑私の先輩も同じ課程で韓国へ1年赴任しました。韓国中部の大田市温泉もあって適度に都会で良いところです。海軍大学は多少僻地にありますが、先輩から車を買い受けたりもしたりして、楽しい韓国ライフを過ごせた事でしょう。いいなぁ。

留学は3佐で行くケースが多いので、概ね30代半ばには赴任できるでしょう。言葉もご心配なく。英語圏以外の国へ行く際は、語学だけをみっちりと1年近く勉強してから赴任しますし、現地でも様々な国から留学に来た外国人将校達と不慣れな現地語で意思疎通するのは非常に強い絆が生まれます。

 

 

🐱<全部幹部ばっかりじゃないか!一般兵卒は海外勤務できないの???

 

うーん、おそらく勤務となると幹部、それも最低でも1尉にはならないと無理かと思われます。私の知る以上は。それももちろん、たたき上げで下士官から試験に受かって幹部になった部内幹部では無く、防大や一般大を経て若くして幹部になった、いわゆるA幹(陸、空自ではU幹とかB幹と呼びます、ややこしい)のエリートに限られることでしょう。

 

しかし、時折行われる各国合同訓練や、それこそ海賊対処やPKOといった人道支援では、当然一般部隊からの選出が行われますので、一般隊員であっても海外の匂いを嗅ぎ、国際交流をし、帰ったら防衛記念賞(胸につけるカラフルなあれです)がもらえるというチャンスもあるやもです。あ、船乗りは長い航海で外国での寄港がありますので珍しくはないですが。

 

潜水艦乗りになればハワイにもちょくちょく行けますよ〜

海自の情報員はイスラエルにも研修に行けますよ〜

 

ちなみに私がイスラエル帰りの先輩からもらったお土産が

 

 

 

 

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えぇ…(困惑)

 

*1:本来自衛隊の隊長というのがそういう物です。有事の際の代役が多い方が良いため任期のスパンを短くし、2年ほどでトップが変わる。しかし専門性の強い情報分野においてはアメリカ等は日本よりも任期が長く、日本の情報部隊の流動性は異常、なのだとか