アジアウォッチタバコ編~ベトナムタバコ事情(plus韓国)~

オスオライガシ。

 

ベトナム伝統タバコthuốc làoについてはユーチューブをご覧になった方もいらっしゃるのでは。https://youtu.be/rQRkdqNYw0I

 

今回は一般的にベトナム国内に流通しているタバコについて2、3お伝えしようかとおもいます。また韓国人喫煙者達と酒席を設けたおり、現在の韓国のヒステリックな禁煙事情を耳にしましたのでご紹介。

 

さて皆様気になるベトナムのタバコの値段はというと、日本のように決まっておらず、店の立地や売り手の裁量で大きく前後するのが面白いところです。ゆえに空港の免税店で売っているタバコが、道端で買うよりも大分高い!というのはありふれた現象。

日本でいうわかばやエコーのような、まさに労働者のタバコ!というと、それこそ一箱40円ぐらいで買えてしまうけど、やはり味は落ちる。

その次にrichmondやcraven、mondといった、タバコ飲みかつ海外経験がないとまず聞いたことの無いような輸入品のタバコになると、やはりデザインもそれなり、味もこなれてくる印象。これが安くて100円ほどからで、メンソールカプセル2つ入り等、イマドキのものもある。そのため探せば日本で吸っていたものと同じようなタバコも安く手に入るはずだ!多分。見分け方としては、ドギツイ写真が前面に無くて、税金のシールが貼られていないもの。

…ということは密輸品じゃないのかコレは(^_^;)普通に流通してるけど…流石にコンビニには無かったと思うけど。

その上となるとマルボロダンヒルメビウスといった誰でも知っているようなタバコとなり、値段も200円からと、正直言って私の食指はとても動かない値段帯となる。

かつて日本でもカッコつけて洋モクとか言っていた時代もあったが、ベトナムでカッコつけたかったらstate express555が定番である。

日本では馴染みが無いがイギリスのブランドで、ベトナム語ではba số năm(三つ ナンバー 5)で通っている。個人的には、かつてどこだったかの免税店で買った555は正直言って不味かった。2種類買って両方不味かった。2度と買わないと思いマス。そもそも、アジアに流通しているタバコはマレーシア産だったり韓国産だったり…日本で買える同じブランドでも、特に免税店の物は露骨に味が落ちる。

違いの分からない未成年(!?)の時分ですら、韓国のマルボロマイルドセブンが日本と比べてまずかったのはよく覚えている。韓国は強いタバコが少なく、マルボロの赤ですらタール10mgという健康志向(?)だった。焼酎をストレートでガブガブ飲むくせに、タバコは1ミリというなんだかよくわからん人達だと思ったものです。

 

さてベトナムの喫煙率はどんなもんかというと、体感として女性は全くといって喫煙者を見かけません。タバコを吸う女性に対して世間の目が厳しいのは韓国以上で、タバコ=商売女という認識になってしまうのが悲しいところ。本当に、今まででベトナム人であろう女性がタバコを吸っていたのを見かけたのは1回か2回か、、それも実は韓国人だったかもしれんし。

 男はというと、いわゆる3K仕事に従事しているほど喫煙率が高く、高等教育を受けるに従ってガクッと下がる、そして若いほどタバコを吸わない傾向にあります。

というのも、私がベトナム語を学びに訪れる名門人文系大学では、タバコを吸っているベトナム学生の姿は皆無。吸っているのは基本的に韓国人、それか私と思って良い。というほど、韓国人学生が多い。

それもそのはず、ベトナム在住の韓国人は17万人、日本人の10倍だ!コロナ以降かなり減ったとは思いますが…

お利口さんなベトナムの若者達は、コロナが怖いと聞けばそれに従いマスクを離さず、タバコが体に悪いと聞けば遠ざける。警察、公安はマフィアでしかないと皆知っている筈なのに、政府の言う事は信じる。素朴で純情な人たちなんです。

そもそも酒もタバコも年齢制限がございません。

しかしここ数年の物価の高騰。10年前のニュース記事で、田舎では2000ドン(当時のレートでも10円ちょっと!)でタバコが買えてしまうことから未成年のニコチン中毒が問題に…と言うニュースを見かけましたが、見間違いかと思うほどに安いタバコがそれだけ出回っていたと。それに比べれば一箱100円前後というのは昨今ベトナムの若者には厳しいもんがあるかもしれん。下手したら1時間の時給だ。

しかしthuốc làoを吸わない都会的なベトナム南部ではタバコといえばマルボロや555であり、それ以外を吸うぐらいならいいや、てなもんで、そもそもタバコに近づこうともしない。頭が良いとも言える。

ベトナム北部はかれこれ3年も訪れていないのでハッキリと言えませんが、そこかしこの茶屋でthuoc laoが無料で吸える文化に囲まれて育てば、そりゃあ喫煙率は高い筈。金もないから、安いタバコでもカッコ気にせず吸うのでは。

 

とにかく喫煙者にとってはベトナムという国、タバコ自体も安く、どこでも吸えて、天国な訳であります。

タバコを吸いながら携帯で話しながらバイクに乗ると言う荒技を披露する人間もごく普通に見かける国。バイクに乗りながらタバコなんてうまくねえや。落ち着ける空間と、タバコに最適な気温湿度と、相性抜群の飲み物と吸ってこそのタバコだろうが!という、違いのわかる人にとっても、安くて種類豊富なドリンク類を提供するカフェで道に向かって腰掛け、往来や川を眺めながらのんびり私服のひと時…と言う、現在の日本ではなかなか望めないシチュエーションがどこにでもある訳です。

当然、銀行や役所や駅にスーパー、エアコンの効いた公共性の高い場所は禁煙であるため、コメダ珈琲等にありがちな他人のタバコの嫌な匂いに我慢を強いられる、と言うことも少ない。ホント最近のタバコは昔に比べて臭いと思う。

多くの大衆的なレストランやカフェ、飲み屋はノーエアコンで風通しが良いためそれほど気にならないし、エアコンあるけど割高、なチェーン店のカフェは基本的に禁煙です。しかし屋外では基本的に、どこでもタバコを吸ってOK(多分)。そこは人の多さやシチュエーションを総合的に見て判断しましょう。

この国に来て人に迷惑なんて気にしていたら生きていけないけどな!!列に割り込み上等、歩道はバイクの駐車場、渋滞時は車道になる。基本的には自分勝手です、ベトナム人は。灰皿が無くたって、吸い殻なんてその辺にポイーよ。店内でも。

 

逆説的に、喫煙者がのびのびと吸える環境がどこにでもあればこそ、非喫煙者も気持ちよく空間を共有できるのではと。奇妙な共存のカタチを見た。

もし誰かが他人のタバコに文句をつけるなら、文句つける人は口臭が臭くてはいけないし、人に不快感を与えるような不潔な身なりをしてはいけない。犬の散歩なんていつよそ様を噛むか分からないから絶対にできないし、臭いから家で魚を焼いてはいけない、自転車で歩道を走ったり、ましてや逆走なんて死罪である。絶対に他人に迷惑を与えず、法を破らずに生きていますと言う人だけが、理不尽な禁煙強制ができると言うことになる訳だ。

極端な話に思えるかもしれないが、喫煙者イジメは結局、そうしたギスギスした社会を容認し、いつかは自分の首を閉める事になる事に、嫌煙原理主義者は分からないのである。

そんな原理主義者が理想とする社会のモデルケースがお隣にある。韓国である。

そんな韓国での喫煙者イジメの実態をご覧いただこう。

 

まず、韓国ではあらゆる飲食店、カフェ、バーを問わず、屋内では禁煙となります。公共の場所に限らず、店舗でも。

かつてはどんな飲み屋に行っても気にせず吸えたのに、、、と思うも、非喫煙者が多い場合は遠慮して外で吸う人間なので、コレは別に気にならない。

驚いたのが、韓国にニョキニョキ生えてるアパート団地。

あれの自室で吸っても罰金を払わされると言うのです。5万ウォン以上。

日本でもベランダ族等が批判をくらい始めているようですが甘い、韓国ではベランダはおろか自分の部屋で吸っても罰金である。分譲で買った自分の部屋だとしてもだ。当然団地の公園もアウト。誰かに見られたらすぐに〇〇棟〇〇号室のキム〇〇さんが〜と実名で吊し上げを食らう羽目に。

ソウルやプサン等の大都市の市街地はほぼもれなく路上喫煙が禁止され、そこでも吸おうもんなら5000円。

じゃあ自分の車の中はどうだと言っても、これも吸い殻を窓の外に捨てた時点で罰金である。映像を取られて通報されたら、それでもう罰金だ。皆ドライブレコーダーを付けているのでなおリスキー。

なので誰にも文句を言われずに、心置きなく吸おうと思ったら一戸建ての自宅か、周りに誰もいない工業地帯や川辺等で吸うしかもう手段が無いんである。

 

知人の体験談で、銀行に寄った際、駐車場に設置された灰皿を見て、これは助かったと煙を燻らしたところ、行員らしき者が現れ、吸わないでくれと言われたとか。

どう見ても銀行の私有地であり、銀行の客へのサービスのために置いているのでは無いのか、誰なら吸っていいのか、疑問をぶつける暇もなく、「あ、ハイ…」と立ち去ってしまった知人の分析によると、

「客の便宜を図って置いてはいるが、タバコを吸う人間がいる事自体にケチをつけてくる客、ならびに通行人がおそらく居るため、よほど大事な客でない限りは使わせないんでしょう」

 

なんだか言っていることがよく分からんぞ!

とにかく韓国ではクレーマーが絶大に強力だが、金持ちの権力はそんなクレーマーなど歯牙にもかけないと言う韓国社会の病理の現れを見たような、そんなエピソードだった。

もうとにかく、バス停や駅での公益広告は延々とタバコはあなたの家族も殺しますとか、トンデモを通り越してファンタジーでしかないのを延々とリピートし続けて、スピーカーにコーラかけてやりたくなるぐらいなのです。

 真に受けた嫌煙家達が次々に喫煙という権利を奪った結果、隣組も真っ青の、路上喫煙者を見つけては撮影し通報するという、悪趣味な正義が蔓延する社会になってしまっている。

そもそも韓国はミンウオン(:民願,Civil Petition)という制度が一般化しており、日本で言う目安箱なのだが、日本語の目安なんていう忖度ありきのソフトな表現ちゃんちゃら可笑しいぜ!というほど、ミンウォン一つで韓国社会ならびに韓国のコミュニティは一々振り回されるのである。

真っ当な用途としては、トイレのバリアフリーの要求や公園の遊具が壊れた等の投書だが、中には”図書館で同じ所に何時間も座らさせないでくれ”と言った理解に困るものや、駐車違反取り締まり区間でない道路の車両を取り締まってくれと言う無茶なもの、これは可愛い例である。

中には一人で8000件も投書をしたと言う名物クレーマーがニュースになったり、どう考えても仕事でやってるとしか思えないような輩もいるが、そうしたトンデモない請願が通ってしまう事がままあるのである。

日本人は変に悟ってしまっているのか、お上に期待しない、政治に理想を持っても無駄なだけと分かっているが、韓国は別である。

とにかく弱者が強いと言うか、被害者は絶対正義な社会である。

ある意味では民主主義であり、国民の声が政治に届いているとも言える。

ただ届いている声は明らかに工作員なんですけどね・・・元諜報員は語る。

 

 

と言うように、行き過ぎた喫煙排除、ならびに度を越した”人に迷惑をかけてはいけない病”をこのままこじらせると、韓国のような社会になってしまうよと言うのを、コリアウォッチャー歴17年の私から、一つ提言したい。

あと、韓国ではマクドナルドでも、「飲食時以外はマスクを着用してください」と言うアナウンスが30分おきに流れるそうだ。

日本のマスク警察なんて可愛いもんですよ!!

なんなら市民がこぞって裏公安の役割を買って出ますからね。これも被害者絶対正義という社会風土が生み出した結果です。

こんな韓国なら絶対行きたくないわー。コロナで行けなくてよかったわ〜。