現役自衛官の方でも本省勤務というのは多くの隊員にとっては一生に一度あるか無いか…いや過半数は無いであろうと思います。
そんな防衛省の、日本の国防の中枢にあって、文字通りベールに隠された、しかも食う寝るところも防衛省!!というディープな暮らしをご紹介しちゃいましょう。
1. そもそも自衛官にとっての”住居”とは?
営舎内に居住すべきものとされている自衛官は、(中略)設けられた営舎内に居住するものとする※自衛官の居住に関する訓令 第一条(出展http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/a_fd/1954/ax19541020_00019_000.pdf )
にあるように、わかりやすく言えば幹部自衛官、結婚や介護等で扶養する親族が居る者、階級や年齢が規定を満たして居る者等々を除いて、多くの一般隊員、独身隊員は、部隊内に居住することが義務付けられています。
そのため、外出は許可があって初めて出来るもので、当然の権利ではないのです。
基本的人権よりも重いのが部隊長の裁量で、ヘマをやらかして一週間外出禁止!というのはザラにあります。
また地方では制服で通勤、買い物をする自衛官の姿を見かけた方も多い事と思いますが、これは自衛官には制服の着用義務が存在するからです。
自衛官服装規則 第六条 自衛官は、この訓令の定めるところに従い、常時制服等を着用しなければならない。ただし、次の各号に掲げる場合には、制服等を着用しないことができる。
http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/a_fd/1956/ax19570206_00004_000.pdf
そうです。ことができる、なのです! 基本的に自衛官は支給された制服および作業服を常時着用する義務があり、稼業後の自由時間においても、部隊長が着なさいといえば着なくてはなりません。外出、通勤時も然り、なのです。
海上自衛隊が厳しい傾向にあり、特に最初の教育期間中は、稼業後に風呂場まで往復するにも、PXと呼ばれる売店に行くにも、寝巻きに着替えるまでは常に作業服ないし制服を、規定されている服装通り着こなさなくてはなりません。袖のボタン、ズボンの後ろポケットのボタン1つ外れているだけで、服装規定違反、なのです。班長の機嫌しだいで腕立て伏せのご褒美がもらえるかも??
陸上自衛隊が羨ましかった…稼業後は上は戦闘服のままで、ズボンは私服のジャージに着替えて生活するのが許可されていました(専門用語でジャー戦などと言います)
じゃーせん
そのため、基本的には通勤の際にも制服の着用が義務付けられている自衛官ですが、人の目の多い都市部や市民団体がうるさい地域では私服通勤が許可されやすい傾向があります。青森では自衛隊は勝ち組の部類(?)であり、地域に密着している雰囲気から、陸も海も制服通勤が基本でした。スーパーマエダやユニバースで買い物をするダブルの制服をよく見かけたもんです
今はなき自衛隊生徒(少年兵)を修了し19歳で3等海曹に任官した若者達
さて市ヶ谷の、総武線駅から徒歩7分という防衛省ではというと…
当然、私服通勤ですね(笑)目立ってしょうがないですからね(^_^;)
自衛隊の制服を着て外を出歩くというケースは、警務隊(いわゆる憲兵、MP)と私を除いては、お目にかかったことがありません(笑)
いちいち着替えるのがメンドクセェ!!誇り高き水兵の制服の何が悪い!!てなもんで、近場の買い物はおろか、ゴールデン街まで飲みに出るという胆力を見せつけていました。
恥知らずにも、英霊の、先輩達の慰霊という名目で、制服を着て靖国神社を参拝したことも幾たび…
戦争狂たちのカルト神殿だと気づくのはまだまだ後の事であった。
すぐ隣に朝鮮総連があるのは怪しいと思っていたけども。
話を戻しましてm(_ _)m
基本的に東京の自衛官の通勤、外出は私服です。これから本省勤務を控えた自衛官の方はご安心ください。
⒉ 住所=東京都新宿区市谷本村町5−1
前述の営舎内に居住することが義務付けられた自衛官の方は、もれなく花の東京23区内、それも山手線の内側に住むことができます。
そう、防衛省の中に隊舎があり、大浴場もあり、あったかい布団(防火毛布だけど笑)で寝れて三食ついているのです。素晴らしい!!
一歩外に出れば四ツ谷の飲み屋街、麹町のオフィス街、小洒落た神楽坂、タクシーで千円も出せば大都会新宿です。
タイトルの住所は、防衛省の所在地になります。営舎内居住者は、免許証も住民票も、自分が勤務している部隊そのものになります。
なので一時期の私の免許証の住所欄は、
とか
とかいう堅っ苦しい物でありんした。
海上自衛隊、と書かないと、陸自の基礎情報隊とややこしくなるので、仕方なく正しく届け出ました(陸の基礎情も相当キナ臭いなぁ〜( ̄▽ ̄))。
自衛隊には珍しく、ほぼ全員が公共交通機関で通勤するため、歓迎会やら送別会という理由をつけた飲み会の多いこと…特に海幕に居た時は、1佐クラスが入れ代わり立ち代わりで赴任したり転勤するので、概ね2ヶ月に一度は職場で飲み会でした😱
いずれ幹事役が回ってくるのが、これまためんどくさい。
なるべく理由をつけて(特に理由をつけない時も多数でしたが)参加しないようにしていても、先輩方が順番に幹事をやっているのでどうにも断りづらい。
意趣返しに、お気に入りのスパイスィ〜な本格南インド料理屋で飲み会を開催してやりました。高級な店なんで、飲み会相場の3500円ぽっちで飲み放題をつけたら、カレーとおつまみ2種類ぐらいで全部でした。上司の苦虫を噛み潰したような表情が痛快でしたね😸文句があるなら自分で幹事してください…
皆様方には、出世したいようでしたら無難な居酒屋をオススメします😂
3. たのしい防衛省のくらし
ネット上から拝借
と、“外出証” もしくは“営外者証”(うろ覚え)が必要になります。
外に出ようとしている自衛官が、その部隊長の許可を得て外出しているのかを、営門に立直している人が外出証等の有無を確認し、不備があれば外出はできません。
一般部隊では、外出する際には稼業後に整列をし、当直の士官等から外出証の交付を受けないともらえません。それも、残留人員を満たすために、毎日外出できるわけではありません。
しかし、防衛省はICカードで出入りを管理しており、自衛官証明証をゲートにかざせば通れてしまいます。
警備員は外注の警備会社ですし、わざわざ外出証のチェックなんてするわけがありません。
なので、外出証がハナからなくても、残留のため本来外出ができない日でも、コッソリとジャージ姿でランニングを装って出て、コンビニに行くぐらいは造作も無いです。
そうした管理の難しさから、防衛省のほとんどの部隊は、外出も比較的緩やかです。海幕なんかは外出証は持ちっぱなしでした。残留なんかもありません。当直はありましたが。地下4階でね(^_^;)
食事は、さすが中央省庁というだけあって、200人から収容できる大食堂があり、営内者はタダで3食食べることができます。
食数を申請することはしますが、人数が人数のため、食べても食べなくても分かりゃしません。※本来は、自分が何日の朝と昼と夜に食べるか食べないかを前もって申請して、食べると決めた日は食べないといけません。比較的小規模な太刀洗通信所ではいちいち名簿にチェックしていたので、急に外出したいとか飯食うのがダルイと思っても、食べないと後から怒られるという笑
そして人数が人数のため、しかも作るのが陸自(大変申し訳ないが)というのもあって、味は…
うーん…
というカンジです(^◇^;)
特に朝食はワンパターンすぎて辛かった…
私はいつもご飯に梅干し入れてお茶漬けにして、味噌汁に納豆をぶち込んで、ヨーグルト食べて終わりでした。
今思えば、311後の超汚染環境下に東京に来て、体が無意識に有用菌の摂取を求めていたんだなぁと納得しました。
眠いのでこのへんで。
続く(随時加筆修正の予定です)